2011年7月28日木曜日

逆転世界  / クリストファー・プリースト




「地球市」と呼ばれるその世界は、全長450メートル、年に60kmほど『移動』する動く都市である。
主人公ヘルワードは、成人した日、初めて都市の外へ出ることを許された。
そこで彼が見たのは、太陽も大地も教わったような球ではない、いびつに歪んだ世界だった!

という、センスオブワンダー溢れる古典SFの名作の一つです。

世界の姿がおぼろげに推測できるようになって来る2部後半までが多少退屈ですが、
その後に待っているパラダイムシフト
塗りかわる世界観の連続、が素晴らしい。
「星を継ぐ者」を初めて読んだときのようなわくわくがあります。

移動する世界という点で「冬の巨人 古橋秀之」が良く似ていますね。オマージュ元かな?
異様な世界という点で「時計の中のレンズ(「海を見る人  小林泰三」収録)」を連想します。

オチはもうちょっと先まで解説してくれたらうれしかった。
最後の30ページでどんでん返ししたと思ったら
最後の3ページでもう一回どんでん返し、なのは好きです。


以下最後のとこだけネタバレ



つまり、「あなた達がそう『感じ』ているだけなのよ」、という
"認識"の問題で拍子抜けに終わったと思ったら
「いや、物理的にも、時間的にも現実に影響を受けている!
 その話は間違っている!」

となった、ということでいいのかな。

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