「地球市」と呼ばれるその世界は、全長450メートル、年に60kmほど『移動』する動く都市である。
主人公ヘルワードは、成人した日、初めて都市の外へ出ることを許された。
そこで彼が見たのは、太陽も大地も教わったような球ではない、いびつに歪んだ世界だった!
という、センスオブワンダー溢れる古典SFの名作の一つです。
世界の姿がおぼろげに推測できるようになって来る2部後半までが多少退屈ですが、
その後に待っているパラダイムシフト
塗りかわる世界観の連続、が素晴らしい。
「星を継ぐ者」を初めて読んだときのようなわくわくがあります。
移動する世界という点で「
冬の巨人 古橋秀之」が良く似ていますね。オマージュ元かな?
異様な世界という点で「時計の中のレンズ(「
海を見る人 小林泰三」収録)」を連想します。
オチはもうちょっと先まで解説してくれたらうれしかった。
最後の30ページでどんでん返ししたと思ったら
最後の3ページでもう一回どんでん返し、なのは好きです。
以下最後のとこだけネタバレ
つまり、「あなた達がそう『感じ』ているだけなのよ」、という
"認識"の問題で拍子抜けに終わったと思ったら
「いや、物理的にも、時間的にも現実に影響を受けている!
その話は間違っている!」
となった、ということでいいのかな。
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