2011年7月28日木曜日

去年はいい年になるだろう / 山本弘





 2001年9月11日。
 同時多発テロは起こらなかった。
 24世紀の未来からやってきた500万体のアンドロイド集団「ガーディアン」が、
 大規模な歴史改変を開始したのだ。




という山本弘の歴史改変SF。

目新しいのは、現代(2001年)が舞台であるところ。(発行は2010年)。
10年分という短期間だけの歴史改変で、現代にユートピアを建設しようというお話。
タイトルは特に内容とリンクしているわけではない感じです。


ちょっと珍しいのは主人公が著者「山本弘」本人であるというところ。
主人公、山本弘の元にもガーディアン「カイラ」がやってきて、これから著す作品を全て渡されるという驚愕の展開。

それら他の著作の裏話なども聞けて、ファンには面白い。
なかなか、こんな風に作品の裏話を聞けることもないでしょう。

世の中の不平等さや紛争などに不満がある人には、
「未来からアンドロイドがやってきて、強制的に平和にしてしまう」というのは爽快感があると思います。
そういう「こうだったらいいのにな」という気持ちよさは、ドラえもんを筆頭にSFの楽しさの重要な1要素ですね。

最終的に爽快なままで終えてくれないのもまた、SFというものの常ですが。



 「この地球には今、飢えや病気や虐待によって苦しんでいる人が大勢います。
  私たちガーディアンは、みなさんをそんな危機から救うためにやってきたのです。」

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