2011年6月13日月曜日

植物図鑑 有川浩



 「フキノトウが今、3、4個のパックで398円。
  フキだと1束298円。
  それがタダで自然に生えています。OK?」


という、植物図鑑。植物図鑑だけど図鑑ではありません、小説です。
有川浩の連作短編。初出はなんと、ケータイ小説。
オーダーは「女の子の旅と冒険」。
上梓されたのは、近所の野っ原にカップルで出かけていって、
道端の草とか草とか花とかを採ってきて食べるというお話でした。

ツクシ、ノビル、タンポポから始まって、ユキノシタ、スベリヒユ、イタドリなどなど、
食べれるかどうか以前にどんな草かも分からない植物たち(きちんと写真が載ってるところが嬉しい)が、
とーってもおいしそうに食べられていきます。

こんなにおいしそうならやってみたい!
と純粋に思わせる描写はさすがの一言。
ですが、素人は図鑑程度で手を出すな、としっかり釘も刺してくれてます。


裏テーマは「リアル落ち物女の子バージョン」だそうで、(落ち物、ってつまりラピュタ物ってこと)
イケメンが普通のOLに突然拾われるところが始まり。
甘々のラブラブなのもいつもの有川浩。

お話は面白いんだけど、甘々すぎるのには慣れないなあ・・・。
この甘々にどこまで耐えられるか試験を受けているかのような気分になってきました。

装丁もいいですね。

 ノイチゴのサンドイッチは残しておいて最後に食べた。
 体がすっきりするような甘酸っぱさ。
 まるで恋してるような味って言ったら、けっこうあたし恥ずかしい?

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