2010年11月17日水曜日
1Q84 BOOK 3 / 村上 春樹
特別ハルキストでない自分としては
3冊目は無くても良かったんじゃないかなーとは思う。
でも二人のお話は確かにもっと読みたかったですよ。
レベルの高さに圧倒される一冊。
Book3で主人公に加わった「三人目」が可哀想過ぎる。
2010年8月10日火曜日
天冥の標 2 救世群 / 小川一水
小川一水、渾身の長編シリーズ、第2話。救世群。
1話目が上下巻だったので3冊目です。
正直、1話目はあんまりおもしろくなかったので2話目もずっと読んでいなかったのですけど、図書館で見かけたので借りてみました。
後悔した。
もっと早く読んでおけば良かった!!
小川一水に期待しているのはこういうのなんだ。
プロフェッショナルたちががんばるお話。
終始、絶望感が漂うパンデミック物ですが
その文章の緊張感がたまりません。
「日本沈没」とか、人の手に余る脅威と戦うお話が好きな方にはとてもお薦め。
単体で読んでも十分すぎるほどに面白い一作です。
でも前後のお話と合わせるとものすごく深みが出て、嵌ってしまいます。
これで、今後の続編も全て読むことになってしまいました。
現時点で、まだ3話。10話完結予定です。
これは長い付き合いになりそうです。
2010年7月24日土曜日
ちはやふる / 末次由紀
2010年6月21日月曜日
ファントマは哭く / 林譲治
AADDシリーズ3作目。
ハードSF。
面白かったけど、せっかく異質な思考形態を持つETIを描いたのに
けっきょくやってることは人類同士のこととあんまり変わらないような気がしてならない。
意思疎通に苦労していただけで、
けっきょく考えてることはそう変わらなかったというか。
そこでもう一つ突き抜けて欲しかったけど
そうしたらきっと読者にも理解できない物語になっていたかも・・・。
ウェッブを付けた人間とそうでない人間の考え方の違いの方が面白いですね。
これは一作目からだけど。
ハードSF。
面白かったけど、せっかく異質な思考形態を持つETIを描いたのに
けっきょくやってることは人類同士のこととあんまり変わらないような気がしてならない。
意思疎通に苦労していただけで、
けっきょく考えてることはそう変わらなかったというか。
そこでもう一つ突き抜けて欲しかったけど
そうしたらきっと読者にも理解できない物語になっていたかも・・・。
ウェッブを付けた人間とそうでない人間の考え方の違いの方が面白いですね。
これは一作目からだけど。
博物戦艦アンヴェイル / 小川一水
戦争が終わったので、余った人材と戦艦で
世界の未知を探しに行くのだ!
という小川一水、帆船SF。
ライト寄りにしようとすると残念気味になる気がします。
ハードでいいよハードで。
キャラ小説にするならもっと脇役も書き込んで!!
環状になった諸島が世界の全てだった人々が
その外側に探検に出ます。
はるか昔から語り継がれる伝説の神秘を探すのです。
空に浮いている月が魚の形で
環状諸島の中心には天まで届く尖塔がそびえるとか
設定は大好き。一水大好き。
1冊で終わると思って読んでたので小粒かなあと思っていたけど
続くそうなのでかなり楽しみです。
眠れなくなる宇宙のはなし / 佐藤勝彦
2010年6月9日水曜日
ちはやふる 8 / 末次 由紀
忍ぶれど 色に
出でにけり わが戀は
物や思ふと 人の問ふまで
「うちの部のあんぽんたんにはわからなくても
私は理解しています部長!」
という、ちはやふる第八巻。
悔しさが強さの原動力になるっていうのがまたスポーツ漫画だよなあ
と思わせる百人一首漫画です。
熱いよなあ。
2010年6月6日日曜日
MM9 / 山本弘
怪獣が存在する世界を、SF的にきちんと説明つけながら描くという、意欲作。
MM9。
MMはモンスター・マグニチュードの略です。
9は未曾有の大災害が予想される大きさ。
主人公は「科特隊」でなく「気特対」。
気象庁特異生物対策部。
日本沈没っぽい緊迫感がいいなあと思っていたら
ちょっとグレッグイーガンっぽいことを言い始めて
いつの間にかDADDY FACEになってました。
おや?
オチはなかなか楽しい感じ。
怪獣モノ!というよりは
怪獣の出てくる世界の謎モノ、かな。
MM9。
MMはモンスター・マグニチュードの略です。
9は未曾有の大災害が予想される大きさ。
主人公は「科特隊」でなく「気特対」。
気象庁特異生物対策部。
日本沈没っぽい緊迫感がいいなあと思っていたら
ちょっとグレッグイーガンっぽいことを言い始めて
いつの間にかDADDY FACEになってました。
おや?
オチはなかなか楽しい感じ。
怪獣モノ!というよりは
怪獣の出てくる世界の謎モノ、かな。
2010年3月14日日曜日
ちはやふる 7 / 末次由紀
ちはやふる 6 / 末次由紀
瑞沢高校かるた部
キャプテンを差し置いて
4人が決勝進出!
という「ちはやふる」第6巻。
毎日練習している仲間との対戦@決勝戦。
駆け引きが、思いが、熱い。
お腹一杯です。
観戦しているちはやと一緒に読んでいる方も、ものすごく力が入ります。
「団体戦がしたいね
みんなでまた
チームになりたいね」
チーム
わたしの大事な――
そして新の復活。以下続刊!!
ちはやふるは、単行本の引きがすごーく上手いと思う。
早く次の巻を読ませろーーーー!!と思う。
ところで、袴を履くと立ち居振る舞いが変わります。
引き締まります。
きちっと動かないと、崩れやすかったり裾が邪魔になったりするというのもありますが
やはり気持ちが変わるのですよね。
われら日本人ですもの。
ちはやふる 5 / 末次由紀
ああもっと
自由になりたい
競技線のなかで
身体がこわばるほど強い相手を前にしても
自由に
自由に
自由に
うまくいえないけど
強いってそういうこと・・・・・・?
クイーンと対戦。「ちはやふる」第5巻。
ここがちはやのターニングポイントです。
きっと「ちはやふる」のターニングポイントなのだと思います。
「原田先生
おれにもできるかな。
負けながら 泣きながら
前に進むことが。
新に 向かっていくことが」
「離されるな
ついていけ
ライバルだ
ライバルなんだ」
「かるた部は
私にとっては文化部です。
身体ひとつで男女一緒に戦えるのは文化だからです。
負けませんよ 机くん」
「『かるたなんて』って言って
通り過ぎないで良かった
変わっていける
きっと
身体だけじゃなくて
心だけじゃなくて」
太一が、肉まんが、かなちゃんが、机くんが
それぞれの決意を、思いを確かめるシーンが好きです。
ここにいる理由。
ここでがんばる理由。
がんばりたいと思う気持ち。そういうことを。
ちはやふる 4 / 末次由紀
ちはやふる 3 / 末次由紀
新
私にも仲間が出来たよ
ひとりじゃないよ
新からもらったものが広がっていくよ
という「ちはやふる」、表紙も燃える第3巻。
「でも俺は
仲間にするなら
かるたの”天才”より
畳の上で努力し続けられるやつがいい」
と言って、部員が揃います。熱い。
5人中2人初心者っていうのも成長するぞ!って感じで好きですよ。
そして全国大会の予選が始まり、
チームになれていなかったり、プレッシャーというものを知ったりする面々。
個人戦で戦ってるとき
1枚はただの1枚だった
いまは―――
いまは チームの1枚を取りに行く
「気がついてましたか?
ここにいる人たちの足の甲
みんな皮膚が固くなってタコになってる。
畳の上で何年も正座してきた足です。
私たちがなかなか勝てないの当然じゃないですか
タコが出来るまでがんばりましょうよ」
ああ師匠 もっと
練習してれば良かったよ
勝ちたいよ
勝ちたいよ
こういうセリフ回しがいちいち泣けます。
桜木花道にしても、小野田坂道にしても、優れたスポーツマンガは成長の過程がきちんと描かれているのでカタルシスがある。
修行しました強くなりましたじゃ説得力に掛けるというもの。
ちはやふる 2 / 末次由紀
カルタの大会は実は過酷だ。
多いときは朝から夜まで7試合やってやっと優勝者が決まる。
50枚の配置を覚えて忘れて覚えて忘れて
脳が糖分を消費しつくして
体重が3キロ減る。
ちはやは新・太一との別れを経て高校生に。
モデル級のルックスとカルタ馬鹿で「無駄美人」として名を馳せていた・・・!
というちはやふる2巻。
かるた部結成。ちはやがバカ可愛すぎる。
「”青春全部掛けたって強くなれない”?
まつげくん
掛けてから言いなさい」
「一緒に強くなろう
仲間がいたら強くなれるから」
「新はかならず戻ってくるから
おれたちは 日本一のかるた部作ろう
強くなってあいつを待とう」
こんなセリフが溢れかえっているマンガを文化部マンガと呼べるわけがない。
その熱に焦がされる。
ちはやふる 1 / 末次由紀
2010年3月12日金曜日
日本辺境論 / 内田樹
もっとも尊敬する人と聞かれると内田樹先生と答えたい。
この人の言う事にはいちいち頷いてしまうような説得力があります。
「世の中の人はみんなこう思っているけど、実はこういう事なんだよ」
ということをたくさん教えてくれるので好きなのです。
と、いうわけで「日本辺境論」。
日本という国の文化性や国民性を、地理的な「辺境」に位置していることから説明しようという本です。
地理的に辺境に位置していた日本は、
古くは中国に倣い、後には欧米列強に倣い、「世界標準」にキャッチアップすることを目指してきたので
自分たちが世界標準になろうとは「考えることができない」のだというお話です。
自分たちの国はこういう国なんだよ!
ということを語ろうとすると、「他国との比較」によってしか語ることが出来ない。
内田樹はそれが悪いことだとは言わない。
「こうなったらとことん辺境で行こうではないか」と言っています。
それこそがこの国の、他にマネの出来ないアイデンティティなのではないかと。
で、「辺境人の『学び』は効率がいい」とか、
表意文字(漢字)と表音文字(かな)のハイブリッド言語である日本語こそが
「余人を以ては代え難い」日本人の個性であるとか
そんなお話をたくさんしてくれます。
日本でマンガが特異的に発展しているのが
日本語によるものだっていうお話が面白かったですね
(先生自身、他の人の受け売りを話しているコトですが)。
ふきだしと絵柄を並列処理するマンガは、漢字とひらがなを並列に読める日本語だからこその表現だと。
内田樹が何度もいろんなところで書いていることを一文抜粋しておきたい。
>「学ぶ力」とは「先駆的に知る力」のことです。
>自分にとってそれが死活的に重要であることをいかなる論拠によっても証明出来ないにもかかわらず確信出来る力のことです。
>もし、「いいこと」の一覧表を示されなければ学ぶ気が起こらない、報酬の確証が与えられなければ学ぶ気が起こらないという子どもがいたら、その子どもにおいてはこの「先駆的に知る力」は衰微しているということになります。
「これを勉強したら将来お金が儲かるの?」
とか聞いてたら何にも出来ない大人になっちゃうよと、そう言っているのですね。
2010年1月10日日曜日
1Q84(2) / 村上春樹
『空気さなぎ』、すべてはこの物語から始まっているのだ。
という1Q84 BOOK2
自分が物語の中に入ってしまったのか
それとも現実が物語化してしまったのか
メタフィクションというのとはちょっと違うようにも思える。
天吾と青豆、二つの物語の交錯する数瞬は、
2章を費やして描写された数瞬は、
濃厚でとても満足。
終わり方にはきっと両論あるのでしょうけど
一つの意味ではしっかりと終わっていて、これ以上語ることなどないのだよと言われたような感じです。
・・・と思ってたらBOOK3を出すそうで。なんだ。
造りがしっかりした小説ってのは読後の満足感が大きいですね。
きっと深読みしたり、別の知識があったらもっといろいろ分かったこともあるのでしょうが。
個人的には宗教団体が絡んでくると生々しくなってちょっと苦手。
「それがしるしだぞ。
空をよく注意して見てるがいい」
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