2011年5月29日日曜日

MAGI×ES 魔法小路の少年少女3




 「なんでわたし
魔力使い放題になってないんですか?」



という原作付き竹本泉。
アニメと同時企画だったのにアニメの方がポシャったという、なんか勿体無いお話です。
見たかったな竹本アニメ。
完全に無くなったわけではないと言うことですけど、望み薄そう。

これで最終巻。
半端な感じでおわってしまっています。
ポリンが幽体離脱でお勉強して、魔法具無しで発動できたり、いろいろと凄い魔法が出来るようになってきて
これから面白くなりそう!
っていう感じだったのに・・・。

魔法を唱えると「ポポポポポポポポポ」と鳴るのが好きです。

弱虫ペダル 17

弱虫ペダル 17 (少年チャンピオン・コミックス)



 来い 挑戦者

 オレたちが 王者だ!!



これ以上の燃えは思いつかない。
炎の競技自転車マンガ。


千葉から秋葉原までママチャリで数十キロを通いつめていた主人公、
小野田坂道が自転車競技に出会い、急激に成長して
インターハイで優勝争いをするまでになるお話。

17巻は激動の2日目、クライマックス!


こんなに苦しいスポーツって他にないんじゃないかと思わされる。
徹頭徹尾熱い展開で、読んでいる方も体力をごっそり消耗します。
一緒になってペダルを回している気持ちになって、疲れますが爽快感もあり。

坂道のど根性も凄いが
チームメイトたち、敵チームたちも熱くてしびれます。

文句なしに必読スポーツマンガの一つ。

2011年5月28日土曜日

天冥の標 4 機械じかけの子息たち



「守らせてください。
 従わせてください。
 わたしに生きる許しをください。そして─」



大河SF天冥の標、その4巻目。
今回は「恋人たち」のお話。Ⅲ「アウレーリア一統」と同時代。
「恋人たち」とは、人間とそっくりなアンドロイドの娼婦たち。

なので、全編通してそういうシーンばっかりです。
っていうかエロい。
あまりにもストレートに官能小説で、それが萌えるかというと・・・微妙?

風呂敷広げに精を出していたこれまでと違って
内向きに掘り下げていて、暗くてどんより。
小川一水は明るいのとこういうのとどっちが好きなのかな?

こういうのを求めているわけではないんだけど・・・。
全10作予定の天冥、4作終わって1勝3敗。
Ⅱはすっごくハマったんだけどな~。

2011年5月27日金曜日

ベイビーステップ 15





連載中のスポーツ漫画の中で今一番のイチオシがこれ。

テニス漫画です。
学校ではオールAの優等生主人公、エーちゃんが
頭脳と努力でテニスプロを目指す、というお話。

必殺技とか出てきません。
マガジンで1週ずつ読むとものすごく地味です。

でも面白い!
戦略&戦術の超頭脳戦が見どころですが
なにより、成長の過程がまる見えなのが、のめりこませるポイントかなと思います。
いつの間にか強くなってたりしないで必死こいて努力してガンガンレベルアップしていくところが。
地味だと思って見過ごしていた自分が憎い!


ヒロインなっちゃんも近年まれにみる爽やかヒロインでめちゃくちゃ可愛い。
なんだったら、なっちゃんオンリーでも読む価値はあります。


「だからエーちゃんが勝つと、自分のことみたいに嬉しくて。
 それでいつも元気もらってるんだよ」

2011年5月25日水曜日

テルマエ・ロマエ Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ




おっさんがひたすら風呂に入るという前人未踏の新境地。

おっさんは古代ローマの風呂職人。
風呂で溺れると、何故か現代日本の銭湯/温泉に現れてカルチャーショックを受けて帰っていきます。
そして新たな風呂を作るというお話。
登場人物の99%はおっさん、またはじいさん。しかも裸。

でも色物だけでない面白さは保証します。一読の価値はあり。
幕間の風呂うんちくも読み込むと味があっていいですよ~。

2011年5月24日火曜日

隻眼の少女



第11回「本格ミステリ大賞」受賞作ということで読んでみました。

どんでん返しの嵐で、その点大変楽しめました。
「星を継ぐもの」みたいです。

被害者が少女ばっかりなので読んでるほうはとても辛い。
人の死ぬミステリというのは、大変です。本格ミステリです。

主人公が記憶を失うあたりは都合よく時間を飛ばしたようにも感じたり、
っていうか、腹話術って・・・ありなの?
探偵が「殺人事件を解決する職業」として一般的に認識されてるのはお約束なの?
凶悪殺人を起こすほどの動機にも思えなかった。


本格ミステリという分野の文法なのかこの本がちょっとアレなのか気になります。

でもまあSFだって、舞台装置ばっかり説明してあとは別に適当でいいやっていう本もたくさんあるしなあ。

2011年5月16日月曜日

レインツリーの国





「ラスト・レター」だ。
この本は、「あの」最後についていきなり語りだしてる。
しかもすっごい率直に青春いっぱいで振り返ってる。まるまる1章使って。


と思って本棚を見たけど妖精作戦は残っていませんでした。
こんど図書館で借りてきます。
でも当時の「ハチャメチャのムチャクチャ」なジュブナイルのノリっていうのは
今読み返すには辛い。

妖精作戦は名作だったんだと思うけど、リアルタイム世代でない自分にはそこまで(レインツリーで二人が語るほどには)感情移入できなかったのも事実。

蓬莱学園とか、そんなノリの本が受けてた時代。
ライトノベルという言葉もなかった時代ですね。
笹本祐一も、星パイは本棚に残ってるけどエリアルはやっぱりいまいちです。
裏山の宇宙船は境界上?
話がそれました。


というわけで、実在の20年以上前の本について(タイトルは変えてあるけど)
熱く語り合いながら始まる恋愛小説。


本の感想について、熱く語り合えるっていうのはやっぱり楽しいことです。

中途失聴者と健聴者の恋愛なお話。
ひらたく言うと障害受容の話なんだと思うけど、
青春いっぱいで語り合ったところから始まったので
青春いっぱいでぶつかり合っていて、心地良いです。
しかしめんどくさい女が好きだな、有川さん。


有川浩は何にしても良く調べてて、いろんな事を教えてくれるので読んでいて楽しめます。


 『だってあのラストがハッピーエンドだったとしたら、
  私はこんなに長い間この物語に思いを寄せ続けていたでしょうか?
  「ああ楽しかった!」で本を閉じていたら、
  十年間もこんなに囚われていたでしょうか?』

2011年5月14日土曜日

クジラの彼




自衛隊×ラブ。
べったべたに甘い短編集。

面白いけど自分の好みとしては、ちょっと甘すぎて胃もたれしました。

5編中3編がスピンオフ。
「海の底」の夏と冬、「空の中」の大人二人の、ラブ話。
本編と関係ないところで完全ラブのみで話を作ろうっていうのは
あんまり男性作家には出てこない発想なんだろうなと思います。

望はいくらなんでも面倒くさい女すぎる。
読んでて疲れた・・・。


そのほか2編は脱走兵の話と新型航空機開発のお話。
やっぱりラブです。

自衛隊部分は興味深く読めるし
ラブもそれぞれ良かったけど、とにかく甘くて。

2011年5月9日月曜日

ちはやふる(12)





 私なら言えるかな
 努力して
 努力して努力して
 それでも あとから来た人に追いつかれたとき
 机くんのように言えるかな

色物2連戦。
チーム外人(ただし日本語しかしゃべれない)
チームクイズ研
との戦い。

新の出番がたくさんあって嬉しい12巻。
表紙のしのぶちゃんも華やかで嬉しい。
ラストの引きが、線少ない顔コンビの間に散る火花!で女子高生には受けないそうですが次が気になります。

シアター!




 二年間死にものぐるいでやれ!
 自分の無力を思い知って死ね!
 借金できりきり舞いして夢も希望も枯れ果ててしまえ!


小劇団「シアターフラッグ」。
ファンも多いが今ひとつメジャーになれない彼らに解散の危機が迫っていた。
借金300万円。
泣きついたのは、主宰、春川巧の兄の司。
交換条件がひとつ。
「2年間で劇団の収益から300万円返済すること」
黒字になったことすらない小劇団が、果たしてそんなこと出来るのか!?

という劇団もの。
普段余人には知られづらい、劇団という世界の内情を事細かに書き出します。

各キャラクターが立っていて、大変面白かった。
ダメな弟を結局見放すことができない兄がかわいそうで楽しい。

作劇の能力はあるけど
運営の能力がなかった劇団に、有能な営業マンが入ったことで
どんどん変わっていく、その過程がわくわくします。

弱小部活をコーチが強くしていく、みたいな少年漫画的楽しさだと思います。
劇中のハプニングをアドリブで乗り切っていく臨場感も○。
次を早く読みたい!

2011年5月2日月曜日

きみが見つける物語 十代のための新名作 恋愛編




有川浩が書いているというので読んでみた。

その「植物図鑑」は掌編といった感じだったけれど小粒でもキラッとしてて好きになれました。
ヘクソカズラという、一度聞いたら忘れない名前と花の綺麗さで特徴ある花を上手いこと作品にしている。
この作品のみで短編集になっているというので後で読んでみよう。


他の作品は、というと
乙一が幽霊のお話を書いていてほのぼのしつつもきちんとミステリで面白かった。
梨屋アリエの「青空フレーク」はちょっと変な青春小説って感じでこういうの好きです。
東野圭吾は、うーん、ふつう?
山田悠介は、こりゃ中学生の作文だ。
デビュー作がものすごく文章下手だと聞いていたけど、成長してないのか?
ストーリーも見るべきものなし。突っ込みどころ多すぎ。

2011年5月1日日曜日

鼠と竜のゲーム―人類補完機構





遠未来の人類のお話。連作短編集。
人類保管機構を巡る壮大な年表があるようで、ほかの作品も読んでみたくなる。
というか読んでいかないと本当の面白さは分からないのではないか。

大きな舞台装置を、いろんなシーン・時代から描写していくのは好きです。

が、読みづらさもあってとっつきにくい。
読み込んでいくと面白くなってくるのだが。
しかし、SF作家にはときどき、変な経歴の人がいてそっちの方が面白かったりします。

この人も大学教授で陸軍情報部大佐でSF作家って。

空の中




高高度で航空機の爆発事故が相次いだ。
その場所に、何かいる。

UMAとのファーストコンタクトなSF。
白鯨と呼ばれたUMAとの対話がなかなか面白い。

コレは「星虫」(岩本隆雄)だなあ。と思いながら読んでました。
空から落ちてきた、得体の知れない生き物を拾った子供たちのお話ってところが。

そこだけだけど。
あっちの子供たちは優秀すぎたけど
こっちの子供たちは、間違いに気づいても引き返せず、間違いを正すこともできない。
でも子供たちなりに一所懸命だ。

かっこいいのは大人たち。
じいちゃんが素敵。
プロフェッショナルSFと言う感じは小川一水のエッセンスがあります。

海の底




祭り期間中の横須賀に突如現れた巨大ザリガニの大群。
それらは、人を、食う。


こ、これはパトレイバーだ。「廃棄物13号」だ。
と思いながら読みました。エビだし。電磁柵だし。
誘い出し方も一緒じゃないですか。


怪物たちに対処する機動隊の人間たちと、
寄港中の潜水艦に籠城する、実習幹部&子供たち、という2軸で話が展開します。

ちょっと引っかかったのは、夏木と冬原の実習中の幹部たち。
恐慌状態で人間の腕がゴロンと落ちてきて、それにビビる子供たちを怒鳴りつけるのはどうよ。
普通の人間なら「そこまで人間できてない」でもいいけど、
プロフェッショナルな大人はかっこよくて頼れる、というお話なんでしょうに。

機動隊たちはまさにプロフェッショナルな大人たちでかっこよかった。

有川浩は、かっこいい大人を書きたいように見えます。


自衛隊三部作と言われる3冊を一気に読みましたが、一番面白かったのは空の中。
空も海も、文庫で付け足しがあるそうで読んでみたいが図書館にはないかなあ。

総じて面白かった。他の作品にも順次手を出していこう。
でも他の作品はSFじゃないのかな?


 「――我々に醜態をさらせと仰るか」
 「戦術的撤退ではなく、ただ壊走するために壊走しろと?」