2012年3月31日土曜日

白い花の舞い散る時間 / 友桐 夏

白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)




 だから、あたしたちはそれぞれまた新たな仮面をつけて会ってみましょうよ。
 本名でもハンドルネームでもない、新たな名前を用意するの。


という、「リリカル・ミステリー」です。コバルト文庫です。

同じ塾に通っているというだけの共通点を持っていて、しかし互いの顔も知らない5人が、
本名を隠したままオフ会を開催する。
舞台は人里はなれた洋館「ムラサキカン」。

さて、誰が誰なのか?


というお話だと思ったら、本命はそこではなくて、それぞれの家庭環境がみんな特殊で、あれ、ちょっと共通点が・・・?
というお話でした。

冒頭の展開から知能的かけひきな物語を期待してしまったのでちょっと肩透かし。
語られる家庭環境から導かれる物語を考えるというのはミステリっぽくて良かったけど
ちょっと後味悪めなラストでカタルシスがないのですっきりしませんでした。

米澤穂信関連のストリームで褒められていたので、期待しすぎだったかもしれません。


悪い意味でのコバルトっぽさはあんまりなくて
良い意味で子供向け少女小説しているのでこれはこれで。
デビュー作なので多少文章がこなれてないのはスルーして、もう1冊読んでみます。

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