2012年2月13日月曜日
県庁おもてなし課 / 有川浩
ーー彼らは実に、悲しいほどに、どこまでも「公務員」であった。
という、実在の高知県庁おもてなし課をモデルに書かれた、地方観光再生の物語。
自然以外になんにもない高知県という田舎をどうすれば観光立県として盛り上げられるか。
ひいては外貨収入を増やして自治体破綻を回避し、先細りの見えている現状を打破出来るか。
頭の固いお役所に、それをさせるには、どうすればいいのか。
ちょっと緩めのプロジェクトX的お話でした。
これが面白いかっていうと、面白い。
まず語り口が上手い。
やはり有川浩という作家は上手い。
前半の、お役所をボロボロにけなしながらも次々とその代案が出てくる展開は、主人公に感情移入してしまって苦しくなるけど、こうなればいいのに、が実現していく楽しさが溢れていて凄く好きです。
後半はもうちょっと先まで描いて欲しかった。
成果が出るところまで行ってないので消化不良です。
現実のほうに合わせると仕方なかったのかも知れませんが。
これが小川一水だったら最後の「夢」のところが実現した上で宇宙人が現れて地球テーマパークプランくらいまでやってくれるのになあ…。
現実的なところが面白いところといえばその通りです。
これ、全国の田舎県でこぞってやってくれないかな。
パラグライダーやってみたくなりました!
以下役体のない愚痴。
吉門さんが有川浩をモデルにしてると思うとちょっとなんだかなあと思ってしまったり
「パンダ誘致論」が有川浩のパパの発案だと2回も言っちゃったりだとか、
この人、もうちょっと裏事情は隠しておいてくれないかな…。
あと主人公がBL思考なのが…。
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