2011年8月14日日曜日

メグとセロン VI 第四上級学校な日 / 時雨沢 恵一




 「新聞部は……、どうだい?」
 「最高です!素晴らしい人たちです。楽しんでいます。」



という、メグとセロンの6冊目。
リリアとトレイズよりも長いシリーズになってしまいました。
本編よりも続編、続編よりも番外の方が巻数が多いという一連の作品ですが、
「メグセロ」は学園日常モノなのでいくらでも続けられそうな感じです。


で、今回はさらに日常分増量で、

セロンの妹とメグミカの弟が、電話で初対面しながら登場人物紹介な「リイナとクルト」。

珍しくもニック主観で、
あの人が、なんと新聞部の顧問になってしまう掌編「顧問」。

学校行事でお遊びなオリエンテーリングで真剣に優勝を狙う、
その傍ら部長の過去を暴くぞ!という「どこへ行こうと、あなたはそこにいる」。

短期留学生が新聞部に入部した!
二人称で綴られる、田舎の一般人から見た、
超都会の超お金持ちたちの有閑倶楽部・体験談「我々は新聞部だ」

の4本でお送りします。


のんびりした生活の中にも、それぞれの部員たちがお互いを大切に思っているのがよく表れていて、幸せな日常です。

彼らがセレブな連中だということは分かっていましたが、
一般人からの視点で語られると、羨ましいも憎らしいも通り越してしまってます。

一般人視点といえば、4話目の二人称で進むというのはちょっと珍しくていいですね。
あなた=読者ということで、読者にもこの世界を初体験してもらいたいというところでしょうか。
意図は違いますが、雰囲気はテッドチャン「あなたの人生の物語」っぽくて好きです。
古川日出男「ベルカ、吠えないのか?」も二人称だったなあ。

その「あなた」たる、新人くんは再登場するのでしょうか?楽しみです。


普段、ロクシェ語でほわっとしたボケキャラなメグミカが、
ベゼル語で会話すると頼れるお姉さんになってしまうのがとても可愛くて良いと思います。

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