N大学理論物理研究所助手の野々村は、
ある日、研究所の大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計を見せられる。
それは永遠に砂の落ち続ける、砂時計だった。
彼らは知る由もなかった。
その背後で十億年もの、時空を超えた壮大な戦いが展開されていようとは――
という、SFの巨匠小松左京による
ワイドスクリーンバロック。
4次元的に閉じられた砂時計の謎を追って、それが出土した古墳へ向かうあたりはSFらしいわくわくがあって先を楽しみに読めたのですが
中盤から後半は舞台があまりにも飛躍してしまって、追いつくのが大変です。
あちこちに飛躍するわりに、各エピソードはあまり掘り下げられないので
どうしても物語が発散してしまっているような印象。
超未来人と、神のような上位階梯の存在たちとの争いは、
古典を読むにあたって避けがたい読みづらさもあって、
ぼーっと読んでいると良くわからなくなってしまいます。
しかし、序盤にあるエピローグ(その2)と最後のエピローグ(その1)を読むためだけに他の章すべてを読む価値は十分あります。
エピローグの物哀しさや、壮大な物語に対する小さな結末、な感じはとても好きです。
――――あなたたちすらこえるものとはなにか?
――――超意識の意味は?
――――進化管理の意味は?
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