なんでも奴が言うにはーーこの「大空」の重力方向の遥か彼方、つまりずっとずっと下に、大空と同じくらい広大な個体の平面があるのだという。
そんなものがあってたまるか、と私は思った。
という、秋山瑞人の「おれはミサイル」ほか7篇を収録の日本SFのゼロ年代を代表する「リアル・フィクション」を担う作家たちによる短編集。
秋山瑞人「おれはミサイル」
冲方丁「マルドゥック・スクランブル"104"」
長谷敏司「地には豊穣」(「あなたのための物語」のスピンオフ)
から桜坂洋、新庄カズマ、と素晴らしいメンツが続く。
スピンオフが3つも入っているのは残念な気もするが(全部読んでいるので問題はないにしても)、それぞれ純粋に短編として楽しめるのでまあ良し、かな?
秋山瑞人の陸海空三部作のひとつを読むためだけに手にとっても後悔はしない一冊。
陸はいつ読めるんだ。
ゼロ年代には小川、野尻、林、小林、飛もいるし、円城、伊藤もあることを考えると、なんと豊穣なSFの時代であることでしょう。
10年代もよろしくお願いします。
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