2012年9月5日水曜日
千年ジュリエット / 初野晴
「教えて欲しいんじゃなかったのか?」
「な、なにをですか?」
「ハードロックにきまっているだろうっ」
日常ミステリ"ハルチカ"シリーズ、第4弾。
吹奏楽部で全国を目指す真面目な青春ミステリの皮を被って、どこまで本気で読めばいいのかわからない不条理ギャグが本質と思わせて、
オチは重めのテーマでしんみりずっしりさせる異色ミステリです。
爽やかな表紙は詐欺です。トラップです。
今回は文化祭を巡る連作短編。
一番アホだと思ったのは「失踪ヘビーロッカー」。
ハードロックで人生を表現するアメリカ民謡クラブの部長が、本番直前失踪した!
彼はタクシーの運転手にこう告げていた。
「そのまま法定速度を守って、俺がいいというまでこの街をぐるぐるまわるんだっ」
部長の身になにが起こったのか!?
…アホです。
トリックについて考えるのが面白かったのは「決闘戯曲」。
右目が見えず、左手が使えなかった三人の決闘者。
彼らは如何にして勝利したのか?
締めの「千年ジュリエット」は最もアホさがなくてじっくり楽しめてこれが一番好きかな。
大学病院の一角で密かに集まりを開く5人の入院患者。彼女たちが始めたネットでの恋愛相談。
その1人が南校の文化祭を訪ねてくる。
○○トリックは、もうちょっと引っ張って欲しかったかも。
ーーキョウコが座るばしょには、紫色のバッジとイチゴミルク味の飴が置かれていた。
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