殺人者、未成年淫行、虐待。罪をテーマにした、秋と夏と冬の3中篇。
うかつには手に取れない、重い物語。
それぞれのキャラクターたちに朝が来るお話、と思うけど、一話目の「葦の穂綿」は朝が来るというより「混濁の闇がいつか朝日に溶け出すように」と祈るお話。
それぞれ、大人が子供を守ったり守れなかったりしている、という視点を持たされている。
いい話だとか感動するとか、そういう簡単で安っぽい言葉では語りたくない。
>どうか 彼の歩む道が
>ただ穏やかに
>穏やかに
>穏やかであればいいな…と そう願っています