2011年12月19日月曜日
“夕顔” ヒカルが地球にいたころ……/野村美月
「哀しみも…痛みも…遠い世界の、出来事なのよ…。
ここでは、傘を差さなくても…平気…なの」
という、ヒカルが地球にいたころ……②/夕顔です。
①よりも、なんだか主人公たちに好感が持てるようになってきました。
慣れたから?
それぞれの弱さが出てたから?
…ヒカルがあんまり喋らなかったからかも…?
作風としては、文学少女と似た感じだと思います。
その前の、ちょっと迷走し続けた感じの作風に戻るよりは当然、そうなるのでしょうけど…。
静かな物語りの中に強い感情が込められた作品です。
ちょっとモノローグ長めで焦れったくなることもありますが、
じっくり読んでいくと良いです。
『ちょうちんあんこうを拾った。
放課後、持って行ってもいいか?」
2011年12月14日水曜日
製鉄天使 /桜庭一樹
東海道を西へ西へ、中国山地を越えて、
さらに下ったその先、地の果てみたいな、
日本の最果て……鳥取県に、
すげぇ女たちがいたのを知ってるかい?
そいつらはエンジンを唸らさせ、
鉄の武器を自在に操っては血みどろの戦いを繰り広げ、
そして……アリゾナみたいに広かった中国地方の制覇に挑んだものの、
ある夜、とつぜん、全員でもってどこかにきえちまってねぇ。
そのせいで、族のあいだじゃ、
永遠の伝説ってやつになったのさ。
という、燃え盛る魂「赤緑豆小豆」の、爆走する青春を描く物語。
「赤朽葉家の伝説」のスピンオフ、だったと思うけど舞台以外の繋がりが思い出せない…。
「族」の時代から「イジメ」の時代への過渡期、という時代感を背景にした、いつもの桜庭一樹です。つまり描くのはオンナの生き様。
主人公、小豆の人生記が始まるのかなと思っていたら、青春記だったので、ちょっとだけ拍子抜けしたでござる。
ストーリーとしては、鉄を操る主人公が夜な夜なバッタバッタと敵を倒してまわるってだけで特別「こりゃあすげぇ」という感じもないですが、この空気はすきだな~。と思います。
超能力バトルなんかやってるもんで、普段よりちょいと軽めで読みやすくもありました。
オチも好きですよ。
ずーっとテーマが同じ作家って、珍しいのか良くいるのか、どっちなんでしょう?
「あたしら、ハイウエイに恋してる!
純情咲かせにゃ、十三歳がなくぜ!」
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