2011年3月24日木曜日

異星人の郷 上




SFが読みたい!2011「ベストSF2010」の1位になった作品。

中世ヨーロッパで、人知れずファーストコンタクトが為されていた!
鼻も耳もなく、バッタの様な異形の者たち、彼らは悪魔か、動物か、人間か?


という本作。
現地人と異星人の少しずつの触れ合いと
現代の宇宙物理学者と統計歴史学者のカップルと、
二つの視点で話が進んでいくが
キリスト教的世界観でファーストコンタクトというのはアイデアの勝利!という感じ。
面白いです。

現代パートも「光の速さが変化している」という大ネタが下巻でどういう風に料理されるか楽しみ。
統計歴史学という耳慣れない学問が7世紀前のファーストコンタクトにどのように迫るのかも、先が読みたい!と思わせます。

下巻、これから読みます。楽しみです。

ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)




SFって言うのはタイトルで惹かれる物がとっても多いと思います。
この表題作も、読みたくなるでしょう?

時間SFアンソロジー。
オールタイムベストから、アイデアの初出作品、テッドチャンの新作まで幅広く揃えております。

チャンは、チャンって感じでとても楽しめました。
中世アラブでタイムスリップものです。

リプレイ物の初出とか興味深いですし
表題作も期待に違わず◎。

強いて言えば、いろいろ入れようとした為に「傑作」ばかりでもなかったかなというところ。
でも読んで損がないことは保証できます。

2011年3月23日水曜日

“文学少女”の追想画廊




画集、です。

「作家」下巻のあとに発売されていました。
もう3年も前のことでしたか。いつの間にそんなに経ったのか。

新作絵もこの手の物にしてはいくつかあって、
ラフスケッチや、描きおろし短編も収録されています。

ただ、この画集を眺めていると、あの物語を読み返している気持ちになります。
あの物語がよみがえってきます。
「物語を、別の視点から見直すのは、幸福な作業」です。


「青春にもちょっとほどがあるかんじのななせ」が可愛すぎる。

2011年3月9日水曜日

“文学少女”見習いの、卒業。





 「わたしは『こころ』なんて暗い話、なんで夏目漱石は、神経症だの胃潰瘍だのになりながら書いたんだろうと思いました。」

 「でも、きっと人は『こころ』を見つめることが必要なときがあるんです」



文学少女シリーズ、外伝3部作の完結編。

前半の題材は夏目漱石「こころ」です。
教科書で読んだ記憶はありますが、ご他聞にもれず重っ苦しい話です。

でも最後には寂しさとか後悔を含みながらも爽やかに締めてくれます。
神のような遠子先輩と違って、二人三脚でがんばる先輩後輩は読んでいる方も力が入ってしまいます。

卒業部分は短編程度で、題材は「櫻の園」。
こちらは通しで爽やかな感じ。穏やかな気持になってしまいますよ。

人が死んだり、絶望に取り込まれたりしてしまう暗くて重い話ばっかりですが

それでも希望を!

というのが結局のところ、このシリーズの魅力だったんだと思います。
それと文学作品への見方を変えてくれたところ、かな。
そう、とても魅力的な作品でした。


 「今のわたしには、この物語のラストシーンから"希望"を読み取れます。
  そのあとに続く素晴らしい"未来”を想像できます。」

 「だから、わたしは大丈夫です」


自分は、こんな風に、物語の先を"想像"出来るようになれただろうか?

2011年2月24日木曜日

大平面の小さな罪




 彼女が言うには、この世界のすべての平面は、
 彼女らの組織――平面管理委員会――の管理のもとにあるのだそうだ。


というSF(すこしふしぎ)連作。

退屈な平面管理の仕事から逃げてきたヒロイン・セーナが
主人公宇田川の元で、平面を自由自在に操ることで大金を稼ぎ豪遊する・・・

という第1話から、各話で平面管理委員会の局員による「小さな罪」が綴られている物語。

もし、平面に描かれている全ての物を自由にできたら、なアイデアSF。
紙幣の図柄からナスカの地上絵まで平面管理委員会が管理しています。
ときどき「局所的な乱れ」が生じるので修正してくれています。
これを出来る人間が犯罪を犯すとしたらどうか。
岡崎二郎はこういうの上手です。


「平面にかけて」おすすめです。

2011年2月13日日曜日

聖☆おにいさん 6




古いジャンプの豪華さ(連載陣の)に感動するブッダとか楽しすぎです。
でもその気持分かります。

ドラゴンボールとジョジョとスラムダンクとダイの大冒険と
タルるートくんとターちゃんと幽☆遊☆白書と男塾が載ってるジャンプって
豪華すぎるもの。


あと表紙がなんか幸せそうです。

2011年2月12日土曜日

折れた竜骨





魔法の存在する世界で、推理の力は真実を突き止めることが出来るのか?

という意欲作。
米澤穂信がデビュー前のネット時代に公開していたお話のリメイクだそうです。

 
文句なし。

舞台は十二世紀末のヨーロッパ。そこに魔法が存在する。
そこで事件が起きて、探偵役が犯人を推理する。
最後には関係者を集めて、犯人を指摘する。
解決に使われるのは、魔法ではなく、論理。

著者はこう言っています。
「読者とのあいだに交す約束事さえしっかりしていれば、その約束事がたとえこの世のものでなかったとしても、ミステリは成立する。」

やっぱりミステリーも面白いなあ。
読後感も、さわやかという訳ではないのだけど、好きです。