2011年5月14日土曜日

クジラの彼




自衛隊×ラブ。
べったべたに甘い短編集。

面白いけど自分の好みとしては、ちょっと甘すぎて胃もたれしました。

5編中3編がスピンオフ。
「海の底」の夏と冬、「空の中」の大人二人の、ラブ話。
本編と関係ないところで完全ラブのみで話を作ろうっていうのは
あんまり男性作家には出てこない発想なんだろうなと思います。

望はいくらなんでも面倒くさい女すぎる。
読んでて疲れた・・・。


そのほか2編は脱走兵の話と新型航空機開発のお話。
やっぱりラブです。

自衛隊部分は興味深く読めるし
ラブもそれぞれ良かったけど、とにかく甘くて。

2011年5月9日月曜日

ちはやふる(12)





 私なら言えるかな
 努力して
 努力して努力して
 それでも あとから来た人に追いつかれたとき
 机くんのように言えるかな

色物2連戦。
チーム外人(ただし日本語しかしゃべれない)
チームクイズ研
との戦い。

新の出番がたくさんあって嬉しい12巻。
表紙のしのぶちゃんも華やかで嬉しい。
ラストの引きが、線少ない顔コンビの間に散る火花!で女子高生には受けないそうですが次が気になります。

シアター!




 二年間死にものぐるいでやれ!
 自分の無力を思い知って死ね!
 借金できりきり舞いして夢も希望も枯れ果ててしまえ!


小劇団「シアターフラッグ」。
ファンも多いが今ひとつメジャーになれない彼らに解散の危機が迫っていた。
借金300万円。
泣きついたのは、主宰、春川巧の兄の司。
交換条件がひとつ。
「2年間で劇団の収益から300万円返済すること」
黒字になったことすらない小劇団が、果たしてそんなこと出来るのか!?

という劇団もの。
普段余人には知られづらい、劇団という世界の内情を事細かに書き出します。

各キャラクターが立っていて、大変面白かった。
ダメな弟を結局見放すことができない兄がかわいそうで楽しい。

作劇の能力はあるけど
運営の能力がなかった劇団に、有能な営業マンが入ったことで
どんどん変わっていく、その過程がわくわくします。

弱小部活をコーチが強くしていく、みたいな少年漫画的楽しさだと思います。
劇中のハプニングをアドリブで乗り切っていく臨場感も○。
次を早く読みたい!

2011年5月2日月曜日

きみが見つける物語 十代のための新名作 恋愛編




有川浩が書いているというので読んでみた。

その「植物図鑑」は掌編といった感じだったけれど小粒でもキラッとしてて好きになれました。
ヘクソカズラという、一度聞いたら忘れない名前と花の綺麗さで特徴ある花を上手いこと作品にしている。
この作品のみで短編集になっているというので後で読んでみよう。


他の作品は、というと
乙一が幽霊のお話を書いていてほのぼのしつつもきちんとミステリで面白かった。
梨屋アリエの「青空フレーク」はちょっと変な青春小説って感じでこういうの好きです。
東野圭吾は、うーん、ふつう?
山田悠介は、こりゃ中学生の作文だ。
デビュー作がものすごく文章下手だと聞いていたけど、成長してないのか?
ストーリーも見るべきものなし。突っ込みどころ多すぎ。

2011年5月1日日曜日

鼠と竜のゲーム―人類補完機構





遠未来の人類のお話。連作短編集。
人類保管機構を巡る壮大な年表があるようで、ほかの作品も読んでみたくなる。
というか読んでいかないと本当の面白さは分からないのではないか。

大きな舞台装置を、いろんなシーン・時代から描写していくのは好きです。

が、読みづらさもあってとっつきにくい。
読み込んでいくと面白くなってくるのだが。
しかし、SF作家にはときどき、変な経歴の人がいてそっちの方が面白かったりします。

この人も大学教授で陸軍情報部大佐でSF作家って。

空の中




高高度で航空機の爆発事故が相次いだ。
その場所に、何かいる。

UMAとのファーストコンタクトなSF。
白鯨と呼ばれたUMAとの対話がなかなか面白い。

コレは「星虫」(岩本隆雄)だなあ。と思いながら読んでました。
空から落ちてきた、得体の知れない生き物を拾った子供たちのお話ってところが。

そこだけだけど。
あっちの子供たちは優秀すぎたけど
こっちの子供たちは、間違いに気づいても引き返せず、間違いを正すこともできない。
でも子供たちなりに一所懸命だ。

かっこいいのは大人たち。
じいちゃんが素敵。
プロフェッショナルSFと言う感じは小川一水のエッセンスがあります。

海の底




祭り期間中の横須賀に突如現れた巨大ザリガニの大群。
それらは、人を、食う。


こ、これはパトレイバーだ。「廃棄物13号」だ。
と思いながら読みました。エビだし。電磁柵だし。
誘い出し方も一緒じゃないですか。


怪物たちに対処する機動隊の人間たちと、
寄港中の潜水艦に籠城する、実習幹部&子供たち、という2軸で話が展開します。

ちょっと引っかかったのは、夏木と冬原の実習中の幹部たち。
恐慌状態で人間の腕がゴロンと落ちてきて、それにビビる子供たちを怒鳴りつけるのはどうよ。
普通の人間なら「そこまで人間できてない」でもいいけど、
プロフェッショナルな大人はかっこよくて頼れる、というお話なんでしょうに。

機動隊たちはまさにプロフェッショナルな大人たちでかっこよかった。

有川浩は、かっこいい大人を書きたいように見えます。


自衛隊三部作と言われる3冊を一気に読みましたが、一番面白かったのは空の中。
空も海も、文庫で付け足しがあるそうで読んでみたいが図書館にはないかなあ。

総じて面白かった。他の作品にも順次手を出していこう。
でも他の作品はSFじゃないのかな?


 「――我々に醜態をさらせと仰るか」
 「戦術的撤退ではなく、ただ壊走するために壊走しろと?」